
仙台在住の桜の写真家、大沼英樹さんは、大震災後間もなく、今年もライフワークである桜の撮影旅行に出かけました。
「どうしようかと考えていたのですが……出かけます」という言葉を聞いていつもの年とは、どれだけ違う気持ちで、どんな桜に出会われたのだろうかと、思っていました。
そんな慌ただしい中で、お送りくださった震災前の美しい桜や東北の風景の画像は、「女性セブン」に掲載されました。
つい先日、被災地にそれでも咲いた今年の桜の写真をまとめた写真集が出版されるというお知らせをいただいたので、紹介します。
その写真は、予想以上に衝撃的です。
がれきの中に孤独にたち、花を咲かせた桜の姿は、強い生命力と復活への象徴を感じますが、
一方で、何か鬼気迫るものさえ感じます。
大沼さんのメールの一部も合わせて紹介させていただきます。
前回の写真集とは違いすこし重い内容ですが、テーマはやはり「命」です。
いま、こちらではだんだんと「被災地の映像はもう見たくない。忘れたい」との空気になってきました。
辛い気持ちを前向きに生きる事は大切な事です。
が、現実逃避やあの瞬間大きく変わった価値観の命の大切さ、人間の暖かさ、自然に生かされている事等の考えがいつのまにか経済発展だけを目指すようになる事を恐れます。
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